当事業年度における我が国経済は、コロナ禍を乗り越え、経済活動が徐々に正常化していく中で、個人に対する賃金の上昇や企業による価格転嫁の進展、インバウンド需要の急増などが景気回復を後押しし、長く続いたデフレからの脱却が漸く見通せる状況となりました。一方、国内では、年初からの円安の進行や輸入価格の上昇を背景とした物価の上昇、海外では、ロシアとウクライナの戦争の長期化や中東での新たな紛争発生などが、経済成長の不安要因となりました。
フォーム印刷業界におきましては、公的部門でのワクチン接種関連の特需が想定以上に継続することとなりましたが、日常生活やビジネス・スタイルのペーパーレス化の拡大傾向は加速し、印刷需要は引き続き減少することとなりました。
このような情勢の下、当社営業部門におきましては、ワクチン接種関連の案件に加え、当該業務を通じて蓄積したノウハウを活かし、印刷物やウェブをはじめとする多様なチャネルへの対応力により、取引先のニーズに応える案件等の取込みに注力し売上拡大に努めました。
製造部門におきましては、在庫数量・配置・保有期間の見直しや、より効率的な生産につながるプロセス・手順の変更、BPO業務の拡大に向けた体制強化に努めました。
また、セキュリティ委員会のもと、サイバー攻撃への対応や情報漏洩の防止に向けたセキュリティ体制を強化するとともに、法令遵守、内部統制、ISO、個人情報保護の諸活動を通じて各製造工程や営業プロセスの質的な見直しを図りつつ、社員教育にも継続的に取り組みました。さらに、当社のサステナブル活動についてはステークホルダーのみなさまの共感・賛同を得ながら、環境(Environment)・社会(Social)・統治(Governance)それぞれの施策に関するマテリアリティを設定し、様々な活動を行ってきました。主な取り組みとしては、環境に配慮した原材料の調達・使用(認証の取得と推進)、WEBソリューション事業の促進、働き方改革(人事制度改革)、ユニバーサルデザインの取得支援や地域社会とのコミュニケーション活性化(近隣小学校に向けた社会科見学会の開催)となります。
以上のとおり、営業・製造・管理各部門においてそれぞれの体質強化策を推進してまいりました結果、売上高9,876百万円(前期比17.7%減)、経常利益1,308百万円(前期比33.8%減)、当期純利益748万円(前期比41.2%減)となり、前事業年度に比べ減収・減益となりました。
主要な経営指標
回 次 | 第54期 | 第55期 | 第56期 |
決算年月 | 2021年12月 | 2022年12月 | 2023年12月 |
売上高 | 9,565百万円 | 11,994百万円 | 9,876百万円 |
経常利益 | 1,229百万円 | 1,975百万円 | 1,308百万円 |
当期純利益 | 819百万円 | 1,272百万円 | 748百万円 |
資本金 | 798百万円 | 798百万円 | 798百万円 |
発行済株式総数 | 5,815,294株 | 5,815,294株 | 5,815,294株 |
総資産額 | 10,798百万円 | 11,880百万円 | 11,376百万円 |
自己資本比率 | 73.2% | 75.1% | 82.9% |
1株当たり配当額 | 35円 | 50円 | 35円 |
1株当たり当期純利益金額 | 142円39銭 | 220円99銭 | 132円70銭 |
配当性向 | 24.6% | 22.6% | 26.4% |